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ふみあき君たいしたもんだ

高見沢ふう ですー。

自分はじーちゃん孝行をしてきた孫だと思っている。

建設会社を早くに辞めたじーちゃんは

温泉が大好きだった。毎日通っていた。

 

昔、じーちゃんが元気な頃は暇さえあれば長野に行って、

そしてじーちゃんを連れて温泉に行く。

じーちゃんのクラウンに乗って、じーちゃんが開拓した峠道を登って。

一緒に温泉に入り、

背中を洗ってあげる。

 

一緒にご飯も食べに行った。

きっと自分がいるだけで嬉しいだろうと思ったので、

できる限り滞在もした。

自分だけが持っている力であり、他の人間(従兄弟を除く)には絶対にない力。

 

お小遣いをくれることも多かった。

じーちゃんは気持ちとして自分にお小遣いをあげたいんだと思っていた。

そう思った頃からじーちゃんからもらったお小遣いは大切に取っておくことに決めた。

 

帰るときも見送られるわけだが、

自分は『また近いうちにくる』と言って帰った。

 

施設に入った後も何度も見舞いに行った。

自分の力で買った黄色のポルシェと白いフェラーリを見て、

『たいしたもんだ』と言ってくれた。

嬉しかった。

男はつらいよ、が好きだというのでDVDとDVDデッキをプレゼントした事があった。

その影響で自分はとらさんが大好きになった。

 

自分が鳩サブレが好きなのは、

小さいころにじーちゃんのクラウンの足元に落とした鳩サブレを

じーちゃんが拾って食べたのが印象深いからだ。

 

奥さんも紹介できた。

変な言い方だけれども、

全部やってあげられた。

 

新しい時代がくるという事は、

ひとつ時代が終わるものなのだと感じた。

風で桜が散りはじめた暖かい日だった。

 

 

じーちゃんありがとう

高見沢ふう